ウィーアーリトルゾンビーズ/長久 允 を読みました

we are little zombies

2019年6月3日発行

あらすじとか

 両親を亡くして悲しいはずなのに泣けなかった、13歳のヒカリ、石くん、竹村、そして郁子の4人は、自分たちだけで生きていこうと決めた。
住む家もなく、流れ着いたのはゴミ集積場。
そこには、彼らの運命を大きく変える出来事が待っていた。
そう、なぜかめちゃくちゃ“エモい”バンドを組むことになったのだ──。

あらすじより

タイトルからしてちびっこ吸血鬼のゾンビ版児童書なのかと思いましたが、全然ゾンビものじゃなかったです。
児童書が大好きで時々読むのですが、この本はかなり児童書的にサクサク読めます。
テンポもいいし、子どもたちのやりとりが可愛くて笑えてくる。(笑える話ではない)
早い人だと1時間くらいで読んじゃうんじゃないでしょうか。
同名タイトルの映画を監督が自ら小説家した作品です。
映画は見てなかったのですが、この書籍を読んで映像でも見たくなりました。3.6

感想(ネタバレあり)

読みやすさが半端ないですね!
台詞の前に名前を書くという斬新な書き方が散見されますが状況がわかればイイんだ。
独特な文体って言うか、クセになる楽しさ。この文章を読むのが楽しいです!好きだな~。
でも軽い文章で重いことがサラっと書かれているので勘違いしそうになっちゃいますが、読んでて居たたまれなくなってくるのです。
幸せでまっとうな家庭に育った人にはわからない苦しみが自然に書かれていて読むのがつらいはずなんですがどんどん読んじゃいます。
こういう普通じゃない家庭で育ってきた子供たちって言うのは、なんていうか往々にして冷めていくんだよね。よくある表現と言えばそれまでなんですが、これは私が実体験を元に得た情報ですのである程度の信頼性があります。もっとも、そういう家庭で育ってもまっとうに育つ人種もありますがね。
とりあえず、じゃあ普通な家庭ってなんなのって話になるんですが、まあそれは置いといて。置いといて。

――みんなで笑った。郁子は写レッてばで万引きしたものを撮った。フラッシュがたかれて、なんだかそれが、体育館に広げられた盗難品の押収物みたいに思えた。
俺たちのことを阻害した、社会からの押収物。
逆なんだよね。社会からの押収物ってところが。意味のないようなモノばっか万引きしたように見えて、実は彼らにとっては意味ある行動だったと……。
 
――普通のやり取りなのだ。殴られていても普通だから。それがいつものことになってるってことが嫌だった。
この文章にリアルを感じてシンプルに胸に刺さりました。
竹村のパートは個人的に、読んでて一番つらかった。
 
郁子のパパって郁子に対して普通の親として以外の感情があったんじゃないかと思いました。
それで郁子はママからちょっと嫌な感じで接されていたんじゃないかとか。
髪の毛切られたり、半分だけ化粧されたりとかめちゃめちゃコワイよ。

 

「風船は飛んでいくのよ。飛んでくために膨らんだんだから」
ひいっ! これは子供としての郁子を表していますか? 言い方がなんか冷たくて怖い。
このお母さんはマジで怖い
(なんか最近読む本読む本怖いお母さん優しいお母さん出てくる)

ラブホの窓はどこもこんなのだよって発言を中学生が何故できるのか…なんでそんなこと知ってるのかとか考えたら恐ろしい見解にたどり着いてしまいますね! 
郁子も平気な顔してますがすんごい闇を抱えてますね。好きです、はい。
こういった、心に自分の力だけでは到底抱えきれないし解決できそうもない問題を抱えた子供の話がすごくすごく胸にささるっていうか、興味深くて、語弊あるけど好きです。もちろんフィクションとして。
あと率直な感想として、「自分は愛されていないんだ」と感じてしまう子供たちが居ることが悲しいです。
子供って、本当に繊細なんですよ。大人が思ってるよりずっとね。
こんなことすぐ忘れるだろうって言葉も、ずっとずっと胸に刺さって覚えていますからね。それが傷ついた言葉ならなおさら。深く刺さってずっと抜けません。大人になってもその傷は癒えることなく、ことあるごとに自分を苦しめるのです。
両親が死んだとき、残ったものがそんな傷だけって悲しすぎる。愛されていた記憶をあげてください。

ヒカリのパートは最初にも言ったように独特のセリフ回しでかなり面白いんだけど、両親が亡くなった事故のバス運転手が自殺したあたりから、愉快な文体でなくなってきます。それがまた読んでてつらい。最初は突然で両親が死んだことにもついてけなかったのかもしれないが、他人の死を知ることで現実味を帯びてくるっていうか。それに付け加え罪悪感も。

ヒカリのママの日記があるけどさ これはヒカリは知らないわけよ。
大抵の子供は望まれて産まれてくるわけよ。ヒカリもそうだったってこと、知ってほしい。
最初はね。最初は大抵は幸せそうですからね。
そのときの気持ちをずっと忘れないでいたいですね(何の感想)

 

なんか終わり方微妙だったけど、じゃあどうしたら面白かったのかと言われると思いつかないので、これはこうなるしかなかったのかもみたいな気持ちになりました。
所詮未成年は無力です。。何かを解決する力も大人の半分以下です。。
でもちょっとだけど希望が見える感じの終わり方でよかった。子供が不幸になってはいけないよ
なんだろう、、ちょっと何が伝えたかったのかわからない部分が少しありましたが映画見たらわかるのかな。映画見たいなあ。
でも作品としては自分は面白かったです。あともうちょっと何かが欲しい気もしましたが映画を見れば満ちるのだろうきっと
なんか中学生の会話見てたら、自分がネットし始めたころの暗黒期(約20年くらい前)思い出して少し辛かった。わかる? この気持ち男子に。
それではごきげんよう( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

コメント